2017年からは自治体でも、災害対策向けにドローンを配備するところが多くなっています。
今回はこうした背景から、ドローンについてご説明します。
最新型のMAVICは、低価格でありながら、持ち運びに対応した折りたたみ式ドローンとして、非常に有効性が高いドローンとして注目されています。
目次
- 【1】ドローンとは
- 【2】ドローンメーカー
- 【3】ドローンの価格
- 【4】最新のドローン「MAVIC」とは
- 【5】撮影詳細画像
- 【6】防災とドローン関連ニュース
- ・集中豪雨の災害でも活躍。福岡・大分県災害
- ・飛行禁止のGPS機能であるジオフェンスを無効化するロシア
- ・手のひらサイズの新型「SPARK」が新登場
- ・プロペラパーツをつけてドローンに!
- ・無許可で飛行。全国初の逮捕
- ・ドローンが墜落して、初の人身事故
- ・ドローンを高さ制限を超えて飛行。改正航空法施行後初めて
- ・空撮専門の動画製作会社ドローンデパートメント
- ・スーパーボールで300機のドローンが星条旗
- ・着陸中の旅客機を撮影(中国)
- ・編隊を組んで103機で
- ・DJIがスェーデンのカメラメーカーと提携
- ・マイドローンを持つこと
- ・買い物難民を無くす為
- ・3次元地図の開発と対応
- ・アマゾン。イギリスでドローン配達スタート
- ・建設現場にもドローン活用。中小企業のほうが使い道
- ・ドローンインパクトチャレンジ2016
- ・アップルがドローンを使い公式地図製作
- ・災害時にスマホ電波の中継局にドローン活用
- ・自治会視点でドローンを防災に
【1】ドローンとは
もともと軍用として開発され「無人偵察機」などが有名です。
特に
・遠隔操作
・自動制御
がキーポイントとなり、この部分が軍用としての敷居の高さとなっています。
特に自律型タイプは民間用に転用できるほど技術が発達してるわけでもありません。
このため、民間用としてのドローンは
・目視をして「手動」で操作
・専用の安価なコントローラーで操作
など、軍用レベルと比較すると、ラジコンに近い操作方法がメインとなります。
ラジコンから少し情報端末技術を高度化したのが、今の民間で販売されているドローンという認識で問題ないでしょう。
▼ドローンで空撮
ドローンの仕事で一番注目されているのが、上空からの空撮です。
本来、空撮の仕事は、ドローンが民間活用される前まで、大変なコストをかけて撮影するのが一般的でありましたが、今ではほぼ無料に近いコストとなっています。
このため、ほぼ全てのドローンには、撮影用のカメラが内蔵されており、
4K(高画質)対応も一般化されています。
動画共有サイトのYouTubeなどで、ドローンと検索すると、沢山の空撮の動画がありますが、専門業者が撮影したものではなく、素人が撮影したものが、ほとんどであるのが、よい証拠となります。
▼ドローンの規制
規制になった事件として官邸にドローンが侵入した事件がありました。
・首相官邸無人機落下事件 – Wikipedia
これ以降、「ドローン=悪い道具」のイメージが浸透し、ドローン活用にブレーキがかかりましたが、逆に安全性・信頼性を確保するためには、少なからずのルール作りが必要であると言う認識が高まりました。
事件・事故が起きてから対応していては、人身事故につもながるため、または「保険」の問題まあり、無制限な空撮などを取り締まる目的もあり、法整備が進んでいます。
▼ドローンの資格・免許
ドローンを所有するのに、公的な資格や免許は必要は現在ありません。
ただし、安全性の確保やドローン操縦などの訓練を目的とした「検定資格制度」は、高機能なドローンについては、整備されつつあります。
・ドローン操縦士資格認定機関 DPA|一般社団法人ドローン操縦士協会
・無人航空従事者試験 – Wikipedia
通常の10万・20万円程度のドローンについては、販売店での操作訓練や、安全上の注意事項などで任意で資格対応をしているのが現状です。
人身事故などにもつながるため、ドローンの操縦ができる場所は限定されております。各地域の情報については、地域の自治体などに問い合わせるのがよいでしょう。
▼ドローンの仕事
ドローンの仕事として、今はレジャー関連が注目されています。
個人でも手軽に購入できる金額のため、空撮などをメインとした観光PRのためのドローン空撮がメインの仕事となるでしょう。このため「ドローン操縦士」の資格を持った方が、空撮をして仕事をこなしています。
しかし、レジャーのみだけではなく、やはり災害対応のためのドローン活用は、最近起きた熊本地震の活断層調査などにも使われ、危険地域の素早い情報収集などに活用されている事例が多くなっています。
上記の動画は土砂崩れによる道路が寸断されたため、危険で近寄れないため、国土地理院がドローンを使い撮影し公開した映像です。災害活用には非常に威力を発揮していると同時に、ドローン活用の事例として、非常に重要度が高いと言えます。
【2】ドローンメーカー
ドローンメーカーについては、今やドローンビジネスは一番ホットな市場であるため、多くのベンチャー企業が参入しています。
日本においても、玩具メーカーやラジコンメーカーが、ドローンを販売してます。
私もこれらのメーカーのドローンを数個所有しており、入門者向けドローンとしては数千円から数万円で対応できます。ただし、操作性能は低く、逆にラジコンの操作が大変であると言えます。
世界的にみて、ほぼ市場の9割を独占したのが、中国のメーカーです。
その中でもDJIは別格です。
▼最大手のDJIとは
こちらの画像は2016年11月に開催された家電見本の展示会である「シーテックジャパン」でのDJIブースになります。
DIJは商用ドローンの最大手であり、中国の深センの製造会社です。
世界の民生用ドローンのブランドとして世界NO1です。
【3】ドローンの価格
ドローンの価格については、日本メーカーも多数ありますが、商用ベースのドローンとなりますと、ほぼDJIがオピニオンリーダーとなり価格設定をしています。
また、最大手のドローン製造会社のため、常に商品開発を進め、ドローン価格のオピニオンリーダーとして「価格以上の価値」を出す事になっております。
数多くの商用ドローンをみていますが、DJI以上の価値が高いドローンは、なかなか目にできません。その分、DJIのドローンさえ手に入れれば、損はしないいというレベルでしょう。
▼おすすめドローン
ドローンといえばファントムがすでに有名であり、官邸に下りたドローンもファントムとなっています。
初代から上記のような形をしており、安定性・操作性などは抜群。更に空撮における信頼性・安全性も群を抜いています。
日本メーカーの「ラジコン・玩具系」タイプと比較すると、価格は2倍・3倍になりますが、実用性では、それを上回る価値があり、おすすめのドローンといえば、ファントムシリーズとなります。
【4】最新のドローン「MAVIC」とは
最大の特徴は、今までのファントム型シリーズは、強度を増すため(壊れないため)に、H型固定式タイプでありましたが、最新のMAVICは「初となる折りたたみ式」であります。
しかも、今までのファントムでの機能・性能を引き継ぎ、価格も最新型であるのに、低コストの11万円台となっている点です。
▼DJIの最新機種
名称:MAVIC PRO
重さ:軽量の743g
時間:最大27分の飛行
画質:4K(1200万画素)
速度:最大65km
▼iphoneで操作
スマートフォンで操作可能。アプリをダウンロードタイプ
操作範囲は最大80m。高さの高度は50mまで可能。
▼安全性
24個の高性能センサー
前方の障害物の自動回避機能
自動の水平維持機能
▼音が小さい
従来のドローンに比較して、非常にモーター音・プロペラの音が小さい
▼フライト機能
・撮影者の自動追尾
・発着地点からの離陸の自動着陸機能
・自動の水平フライトモード
▼価格
税込み12万円
【5】撮影詳細画像
展示会にて最新型のMAVIC(マーベリック)を触りましたのでご紹介します。
まず本体はこちらのように折りたたみ式であります。
通常のドローンの場合、プロペラ部分がすでに出ていますが、今回の最新型から折りたたみ式プロペラタイプになりました。
こちらは「どこにでも気軽に持ち運べるように」がコンセプトです。
今までのドローンは、大きく大型ですが、こちらは簡単なバッグに入れて手軽に持ち運びが可能になりますね。
こちらがその専用ケースです。
いかに今まで比較してコンセプトが全く違うドローンであるのかわかりますか?
これなら好きな場所に気軽にドローンをもって行くことが可能です。
こちははMAVIC専用のコントローラーです。
上下が逆さまなのですが、写真の上の部分にジャックが出ていると思いますが、こちらにスマホをセットして、操縦器として、カメラ機能と連動したり、自動操縦やカメラ撮影などをする機能で対応します。
全体の大きさはこんな感じです。
折りたたまない場合については、4本の足で飛行してします。
こちらはドローン専用のアプリの操作画像となります。
画面などの操作全般を慣れるまでには、相当なノウハウが必要でしょうが、一度マスターすれば、それほど難しくないと判断できます。
【6】防災とドローン関連ニュース
今までは単なるラジコンの延長として見られていたドローンですが、ドローンの実用性が証明されたり、また、コスト的に導入が可能になったりとしています。
そこで関連ニュースをご紹介します。
・集中豪雨の災害でも活躍。福岡・大分県災害
2017.07.13
7月の集中豪雨による災害。この検証でドローン撮影が再度力を発揮しました。まだまだ、現場では危険箇所が多数ありますが、調査が重要なので、ドローンで撮影して対応。
これが今回の映像です。
このうように災害時の状況を映像で獲得するため、ドローン空撮撮影は、非常に力を発揮することが証明されております。
・飛行禁止のGPS機能であるジオフェンスを無効化するロシア
2017.06.26
DJI製のドローンを対象に、安全機能を無効化するソフトウェアを開発した。
通常、空港などの飛行場や政府機関などでは、ソフト面で飛行できないようにするジオフェンス機能が搭載されています。しかし、それが強化されており、安全性確保の名目で、飛行できない地域も存在します。
このソフトを違法に使うことで、自由に航行できるのですが、本来はDJIに連絡して解除するのがルールとなっております。
・手のひらサイズの新型「SPARK」が新登場
2017.05.25
新しく高性能のミニドローンが登場。その名は「SPARK」
手のひらサイズであり、部屋など簡単な場所で手軽に空撮するタイプです。ミニドローンのため、非常に活動範囲が高いと思います。DJIの新作ドローンです。
・手のひらサイズ空撮ドローン・DJI「Spark」発表、ハンドジェスチャー操作対応で障害物回避・自動追尾機能を搭載 – GIGAZINE
・自撮りしてシェアする機能が充実した手のひらサイズのミニドローン「DJI Spark」レビュー – GIGAZINE
・プロペラパーツをつけてドローンに!
2017.05.22
とってもユニークなタイプのセットであります。なんとパーツをつけて、椅子などをドローンとして飛ばすものです。(内容はこちら)
発想としては、誰でも考えつくタイプなのですが、実際に形にしたのは、とってもユニークであり斬新だと思います。
・無許可で飛行。全国初の逮捕
2017.03.03
改正航空法が施行されて、墜落したドローンから身元を割り出し、その上で、本人に出頭依頼をしたのにも関わらず対応しない結果、逮捕となりました。
まだまだ、認可制のため、何をどうすれば許可が得られるのかのルール作りや、ネット活用が整うのも、非常に重要な部分だと思います。
・ドローンが墜落して、初の人身事故
2017.02.28
神奈川県藤沢市の工事現場で、工事現場を撮影していたが、電波障害のため、コントロールが効かなくなり、結果として作業員の顔を数針縫う怪我となりました。
このような事例から、今後も制御不能な状態になり、物や者にぶつかるケースが多々あると思います。保険にしっかりと加入してから操縦がいいでしょう。
・ドローンを高さ制限を超えて飛行。改正航空法施行後初めて
2017.02.22
国内では改正航空法が実施された時点で初の事件です。日本百名山の大台ケ原で景色を撮るため、動画共有サイトにアップされたので、調べてみたら、届出がなかった点です。
特に山からの撮影となると、もともと平地と比較して高度があるためでしょう。こうした点は動画が投稿されてからわかるため、今後もこのようなケースが増えると思います。
・空撮専門の動画製作会社ドローンデパートメント
2017.02.07
岡山市の会社がドローン空撮を使った専門の動画製作会社を設立。サイトは「ドローン空撮ドットコム」にて展開します。
170名にも登るドローンパイロットと連絡を取り合う活動。2万円程度から対応しています。
・スーパーボールで300機のドローンが星条旗
2017.02.07
スーパーボウルの演出で、歌手のレディーガガさんが歌う間、夜空に大きくドローンを使い、夜間光で星条旗を作り上げました。この技術は、インテルのチームが行い、ドローンノウハウの可能性を広く世界にPRしました。
・着陸中の旅客機を撮影(中国)
2017.01.23
中国のウェイボーで動画を撮影したのを公開。杭州市の市街地に着陸する旅客機をマーベリックプロにて撮影。現地では撮影した人を逮捕したとの事。
問題があるとすれば、DJIのドローンでは、飛行空域外で飛ばす「ジオフェンス機能」を搭載しているのにも関わらずである。ソフトを改ざんした恐れがあるみたいだ。
・編隊を組んで103機で
2017.01.17
よくあるシーンですが、それが現実となると非常に驚きです。それだけ自動制御の機能が優れているわけであり、また、ドローン同士の連携が全く問題なく飛行できるわけですので、安全面・技術面で飛躍的に進歩しているわけです。
通常のドローンは人が操作するのが一般的ですが、このような高度な飛行ができるノウハウや技術が出来上がれば、1人1台のようなスマホ時代のドローンが出来上がる下地になります。
・DJIがスェーデンのカメラメーカーと提携
2017.01.06
ハッセルブラッドはNASAにも通用するような高性能のカメラメーカーであり、どのような使い道をするために少数株主になったのか興味がある。空撮を4Kで撮影するなど今では当たり前でありますが、単なる高性能だけではないノウハウを蓄積してほしいですね
・マイドローンを持つこと
日本電産は日本を代表する1兆円時価総額企業であり、永守代表は経営者として非常に有名です。日本電産はモーターの会社のため、基本はドローンビジネスには大きな期待をしている会社です。
IoTの時代になれば、個人・個人がドローンをマイドローンとして活用すると言っています。今は自動車などの分野の精密小型モーターで対応しようとしてます。
プロペラ型一体のモジュール化を推進し、高品質のドローンを開発し、スピードでも更に上を行く形にしたいそうです。今は空撮用がメインとなりますが、産業的なドローン対応が求められ、産業用から一般用へとシフトした所でマイ・ドローンが出てくるようです。
・買い物難民を無くす為
2016.12.21
アメリカのセブンイレブンでは、ドローンを使い配達。ネバダ州であるから、誰もいない地域を想定しているのですが、これは日本においては、山間部などの高齢地域における買い物難民問題にも非常に有効的でありますので、重要度が高いノウハウといえます。
・3次元地図の開発と対応
2016.12.20
ゼンリンなど含め3社は、地図情報に、今までにない高さを入れることで新しい地図の取組を実施すると発表。確かに車や歩行者用の地図の中で、高さなど不必要であるが、ドローンの飛行としては、とっても大切な情報である。
このようなコロンブスの卵のような発見と、そこから集まるビックデータの活用が、ドローンビジネスには必須であると思う。
・アマゾン。イギリスでドローン配達スタート
2016.12.15
ECサイトの世界的大手であるアマゾン。英国でいわゆる配達ビジネスを着手。まだまだ試験的でありますが、大手が動くと、ドローンが一般的になりますので、注目情報となります。
ただし、よくあるあるですが、日中の天候が良い日に限るとの事です。
・建設現場にもドローン活用。中小企業のほうが使い道
2016.12.13
京都の中小建設業者でつくる全中建京都は、ドローンを作業確認やコスト削減のために活用するため研修などを開催した。
確かに屋根の上や高所の作業が多く、安全確認などでも、どの職業よりも活用事例が多い。ただし、建設業はえてして、こうしたIT系には疎い印象である。機械などの作業は得意であるため、ラジコン程度の操縦などは一度覚えると早いかもしれない。
・ドローンインパクトチャレンジ2016
2016.12.10
東京都あきる野市のサマーランドにおいて、ドローンインパクトチャレンジ2016というイベントが開催された。
こちらはドローンレースという新しい遊び方ですが、近場なので時間もあり行きたかったのですが、後から情報を得て悔しいですね。
ドローンは基本は自動操縦がメインなのですが、操縦テクニックを駆使して、こうしたレースは必須だと思います。
ユニークなのがあきる野市が、ドローンの活用を積極的にしている部分がよい事例だと思います。
・アップルがドローンを使い公式地図製作
2016.12.02
iphoneで有名なアップルが、デジタル地図でのグーグルマップの上を行くため、自動車ではなく、ドローンを活用した地図製作をスタートした。
地図などの情報は、ドローンを使用したほうが、ある程度、ノウハウさえつかめれば効率的であるとも言える。また、この方法は「地図アプリ」を開発すれば、地域の細かい地図作りを、独自でできる可能性もあり、よい活用事例として、とらえることが可能だ。
・災害時にスマホ電波の中継局にドローン活用
2016.12.01
NTTドコモは、災害時に携帯電話の電波を確保するため、ドローンを飛ばし、仮設の中継地点として活用。被災を免れた基地局から電波を補足して、ドローン周囲1kmで携帯電話が使えるように実証実験を開始。
ドローンは運びやすい面もあり、被災地の状況に関係なく配備できるためである。ドローン1台では威力が限定されるが、複数台数活用すればかなり広範囲に対応可能。
・自治会視点でドローンを防災に
2016.11.27
毎年、防災訓練は対応していますが、多少のマンネリ化が進み、今回、危険な箇所は少ないが、災害時の備えとしてドローンを購入。
浜松市の赤佐七区自治会では、住民の周知を図り、更なる安全性確保に活躍できると期待する。こうした取組は、思わぬアイデア出て、新しい安全対策の視点ができるのでよい。