被災地のボランティアの相性。どうして「うまくまとまらない」のか
災害でわかる現地のリーダーシップ
熊本地震でボランティアに参加した経営コンサルタントの竹内さん。前回の東日本大震災の時にもボランティア参加し、その現状をレポートしましたが、今回も、熊本まで行きボランティアに参加。しかし、相変わらず見える「現場の生の状態」について、新聞や雑誌ではわからない「なるほど」という点について、感想を書きます。
ボランティアをまとめて管理する現地の人は、社会福祉協議会のスタッフ。
その人達は普段は、安定的な職場を好み、働いているため、震災のような「非常事態」についてはミスマッチが普通にあるという事。
・段取りが悪い
・手際が悪い
・深く考えない
という点です。現場ではそれは「二次災害」とも言えるものであります。
もともと、非常事態で働く事に慣れているわけではなく、普段の仕事のスキルの範囲内で対応する「癖」があり、それが原因となります。
このため、よくあるお役所的な判断と行動になり、
「この町の担当者ではないのでわかりません」
と平然と言ってしまうようです。
災害時には、自分で考えて、自分で判断しリスクをとりながら対応しなければ、変化に対応できないのですが、もともと、日々の業務が管轄外のことも仕事でするような訓練を受けているわけではないため、大きなミスマッチが出ている。
ボランティアであるため、もともと、色々な人が参加しますし、また報酬もありません。
通常の民間の仕事であれば「給与分働け」と指示できる権限があるわけですが、これが無いうえに、さらにリーダーが苦手だと認識しないままに、災害現場で仕事をこなすと「二次災害」につながるわけです。
こうした点は非常にデリケートなのですが、災害現場で早く復旧作業を進めないといけない場合や、横の連絡をスムーズにしなければならない災害対策など、常に変化する地震直後の災害地での対応力が左右されるわけです。
そうした事を考えると、普段の「災害対策」や「予防訓練」も、マニュアルとおりしか出来ないリーダーではなく、臨機応変に対応でき、常に責任感がある人をリーダーにできる災害対策が必要だとわかります。
2016年5月11日
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